衣服素材の特長
衣服の商品名は、「素材の種類」「糸の太さ」「織り方」「形状」でつけられています。
主な素材の特長をまとめましたので、商品をお選びになる際の参考にしてください。
素材 | 特長・長所 | 短所 | |
綿 | 全般 | ・吸水性、吸湿性、肌ざわりが良い。 | ・水洗いで縮む。 ・しわになりやすい。 |
エジプト綿 | ・ナイル川流域で生産され、光沢があり繊維が細長く強い。 ・シャツ等に使用される。 | ||
ペルー綿 | ・インド産綿の総称で、繊維は太く短い。 ・ラグ、カバーリング、シャツ等に使用される。 | ||
オーガニックコットン | ・3年間以上無農薬、化学肥料を使用しない土壌で、農薬・化学肥料を使用せず生産された綿花のこと。 | ||
麻 | ・通気性がよく、熱を伝えやすく逃がしやすい (体温を逃がしやすい)。 ・吸水性、吸湿性、放湿性に優れている。 ・ハリやコシがあって肌に密着しない。 | ・しわになりやすい。
・縫い目がスリップしやすい。
・繊維がかたくチクチク感がある。
・濡れた状態で摩擦されると毛羽立ちやすい。 | |
シルク 羊毛(ウール) | ・美しい光沢がある。 ・吸湿性、放湿性に優れている。 ・軽くてあたたかい。 | ・紫外線に弱く、色褪せしやすい。
・濡れた状態で摩擦されると毛羽立ちやすい | |
・軽くて暖かい。 ・吸湿性がある。 ・しわになりにくい。 ・型崩れしにくい。 ・燃えにくい。 | ・水洗いで縮みやすい。
・アルカリに弱い。
・虫やカビの害を受けやすい。
・淡色のものは日光や蛍光灯で黄変しやすい。 | ||
カシミヤ | ・軽くてやわらかく、しなやかな肌ざわり。 ・なめらかで光沢がある。 ・吸湿性がある。 | ・毛玉になりやすい。
・摩擦に弱い。 | |
ポリエステル | 洗濯しても形くずれしにくく、乾きやすい。 ・水洗いで縮みにくい。 | ・静電気が起きやすい。 ・吸水性、吸湿性が低い。 | |
アクリル | ・軽くて温かい。 ・ふっくらと温かい。 | ・毛玉になりやすい。 ・静電気が起きやすい。 | |
ポリウレタン | ・伸縮性に富んでいる。 ・軽い。 | ・塩素漂白で変色劣化する。 ・直射日光に弱い (劣化や変色が生じる)。 | |
レーヨン | ・吸収性がある。 ・特有の光沢がある。 ・ドレープ性がある。 | ・水洗いで縮みやすい。 ・摩擦に弱い。 ・しわになりやすい。 ・水に濡れると強度が低下する。 |
■糸の太さ
番手
紡績糸の太さを表す単位で、一定の太さに対しての長さで表します。綿番手、朝番手、毛番手などがあります。
綿番手は、重さが453.6gで長さが768.1mある糸が1番手です。番手は数字が大きくなるほど細くなります。
太番手:20番手以下のもの
中番手:30番~40番手のもの
細番手:50番手以上のもの
単糸
一本の糸です。(繊維を引き揃えて撚りをかけて作られます。)
やわらかい肌触りですが、単糸の生地はねじれやすいです。
双糸
単糸を2本撚り合わせた糸です。
丈夫で、生地のねじれも少なく、洗濯でも型崩れしにくいです。
強撚糸
撚りをたくさんかけた糸です。(その反対が、甘撚り糸です)
手触りがシャリっとして、清涼感があります。
■織り方
天竺
布の片面に表目ばかり並び、表面がなめらかです。(表裏で見え方が全く違います)
基本編目で構成された、一番丈夫で安定性のある編み地です。
鹿の子
規則的な編目の凹凸で作られた模様が特徴です。伸縮性は少ないです。
裏毛
裏面に太い糸でパイルを作った地厚な編地で、保湿性があります。
パイル
表面(または表面)にパイルのあるソフトな風合いの編み地です。綿でパイルを作ることにより、保湿性と吸湿性が高くなります。
フライス
ゴム編み(リブ編み)のように、横方向に伸縮性があるのが特徴です。表目と裏目が一列ずつ交互に並び、表裏が同じように見えます。
スムース
リブ編みを2枚重ねたような組織であるため、表裏ともなめらかです。また、比較的厚く、伸縮が少ない分、形態も安定しているのが特徴です。
ワッフル
蜂の巣やワッフルのような外観をした生地です。凹凸感のある外観が特徴です。
度詰め
度目(編目の粗さの調整)を詰めて編むことです。硬くしっかりした編地になり、伸縮性は少なくなりますが、そのため安定しています。